
今回のテーマは、女暗殺者の私が経験を踏まえてエッセイで話した方がいいかな?
松平容保みたいな職場の同僚の話


この仕事を長くやっていると、いろんな人間を見る。
人を平気で裏切る奴。
指示待ち人間。
美学だけは一丁前のポンコツ。
そして、たまに――
「松平容保タイプ」に出会う。
今回は、そんな話だ。
◆現れた忠義型社員
その男が現場に配属されたとき、第一印象は「地味」で終わった。
スーツも髪型も真面目。会話は丁寧、挨拶は深く、報告・連絡・相談は完璧。
でもね――2週間後、私は震えた。
命令がどれだけ理不尽でも、一切疑わずに実行してくる。

上司が「今夜の任務は単独潜入、武装なし、救出班なし」とかいう無茶ぶりをしても、
「はい、心得ました」と言って、本当に行って、成功させて帰ってくる。
えっ、こわ。
◆断らない。それが逆に怖い
私が初めて「この人やばい」と思ったのは、
彼がトイレ掃除・夜勤連続・書類整理・現場雑務、すべて黙って引き受けたとき。
誰かが「ちょっとそれおかしくない?」と耳打ちしても、
「いえ、全うなことです」と笑っていた。
そして何より恐ろしかったのは――
不満を口にしないことだ。
その姿勢は、まるで幕末の会津藩主・松平容保そのものだった。
「命じられたら従う。どれだけ無理でも、逃げるほうが恥だ」
そんな空気を全身から放っていた。
◆味方になると信頼できる、敵になると崩せない
一度、任務で私と彼は別々の派閥に割り振られたことがあった。
要は“職場内政治”のようなもので、上層部の思惑が絡んでいた。
私は内心、「さすがにあの忠義マンも裏切るだろ」と思っていた。
でも違った。
彼は終始、中立だった。
どちらにも与せず、黙々とやるべきことをやっていた。
裏切らない。買収もされない。
そして、他人を攻撃しない。
つまり、絶対に崩せない。
暗殺者から見れば、こういう人間が一番面倒だ。
◆彼の美しさに、私は少し嫉妬した
その後、彼はミスの責任をかぶって左遷された。
正直、理不尽だった。
でも、彼は何も言わなかった。
ただ頭を下げ、「申し訳ありません」とだけ言って消えていった。
私は、怒ることすらできなかった。
なぜなら――
彼が筋を通したことだけは、誰よりもはっきりしていたから。
その姿に、私は嫉妬すら覚えた。
私にはあんな“潔い敗北”はできない。
私は、勝つために、汚れながら生きる人間だ。
◆終わりに:忠義は滅びても、信頼は残る
その後、彼がどこでどうしているかは知らない。
けれど、一度だけ耳にした。
「どこの部署でも、“筋が通ってる人”として語り継がれている」と。
ああ、やっぱり。
それって、まるで――
会津の人々が、今でも松平容保を“逆賊”ではなく“誇り”として語るのと同じだ。
私たちは、勝者じゃない人間にこそ、
ときに一番強く憧れるのかもしれない。

ここからは私のエッセイだよ
クラスメイトに松平容保みたいなタイプのJKがいる件

――うちのクラス、たまに幕末なんだけど。
幕末にいそうな人がいるって意味ね。
あっ、こんにちは。都内のごく普通の高校に通う、ちょっと歴史好きなJKです。
この前、授業で会津戦争の話を聞いたとき、「え、うちのクラスに松平容保いるじゃん」って思ったんですよ。
……いや、冗談じゃなくて、わりとガチで。下の画像の子のことなんだけどね。

◆彼女の名前は「会松(あいまつ)さん」
学年1の美人ってわけじゃない。成績トップってわけでもない。
でも、やたら姿勢が良くて、常に敬語で、いつも正面から真面目。
それが「会松さん」。
彼女は、なんというか――“絶対に裏切らない感”がすごい。
先生に「これ誰か掃除やっといてくれる?」って言われたとき、
誰も動かない中で、彼女だけが「私がやります」って言う。
そして黙ってやる。誰に見られてなくても。
もうそれ、忠義じゃん。令和の京都守護職かよ。
◆「断らない」って、強さでもあり弱さでもある
たぶん、会松さんって、お願いされたら断れないタイプ。
生徒会に押し込まれても、「役目だから」って頑張るし、
クラス委員も、清掃も、面倒なことを断らない。
でもそのせいで、逆に損してる気がするんだよね。
誰かがミスしても、「私の説明が足りなかったです」とか言って、
全部抱え込んじゃう。
一回、体育祭の運営ミスを全部かぶって、号泣してたの見た。
そういうとこ、松平容保っぽいんだよ……忠義で自滅する感じ。
◆でもね、信用だけはガチである
うちのクラス、わりと派閥とかグループとかあるんだけど、
会松さんだけは、どの派閥からも変にいじられない。
ヤンチャ系男子にも「会松さんマジ硬派だな」って敬語で話されるし、
地味系男子からも「会松さん、発表手伝ってくれてありがとうございました」って崇拝されてる。
彼女が「これって間違ってると思う」って言ったら、
普段ふざけてる子たちも「ごめん」って言う。
なんだこの信頼感。大名か。
◆たぶん彼女、幕末だったら確実に賊軍側
もしこの子が幕末に生きてたら、
絶対「会津藩に忠義を尽くして死ぬ」タイプ。
そして、「それでよかったんです」って言って静かに笑う。
そういう人間って、今はすごく珍しい。
でもだからこそ、彼女のこと、かっこいいと思う。
私だったら、「いや無理なんだけど〜」って途中で逃げるし、
「損するのバカらしい」って絶対言ってる。
◆まとめ:令和に忠義JKがいる世界線
時代遅れ? そうかもね。
でも、“時代を超えて信頼される人”って、
実はそういう人じゃない?
会松さんが令和に生きてるってことは、
松平容保も、きっとどこかで報われてるんだなって思った。
彼女が本当の松平容保の生まれ変わりだったらいいよね?
たとえ彼女が前世の記憶をなくしていたとしてもね。
私は、次に歴史の授業で松平容保が「賊軍」とか言われても、
心の中でこっそり思うよ。
「いや、それでも筋を通したんだから、カッコいいでしょ?」って。
※当ブログ【歴史ファンの玄関:れふかん】のエッセイに出てくる人物は架空の人物です。テーマをわかりやすく解説するための補助役とお考えください。
